…No.4127632+ 特にストレートな物言いで訴えたのは、保守党の伝統的価値観の擁護だ。欧米では現在、ジェンダーや人種を巡る差別や不公正に高い意識を持つウオーク(woke)との言葉が急速に広まっている。wake(目覚める)が由来とされ、英国の新聞では見出しになることも多い。日本語の「意識高い系」に似ており、これが党首選でも話題になった。 トランスジェンダーの人のためのトイレ男女共用化や、「母親」を「出産する人」に言い換えることなどを主張する動きだが、トラス氏はこれに異を唱え、「反ウオーク」を貫く。「女性といえば女性のことだ。私は男女別々の空間を支持し、女性の権利を守る」。トラス氏がそう演説する度、会場から大きな拍手が起きた。減税や対ロシア強硬論といった政策も比較的分かりやすかったが、保守層の心理に訴えるこうした姿勢も支持拡大の一因とみられる。 https://mainichi.jp/articles/20220905/k00/00m/030/289000c |
…No.4128183+ 9月5日、リズ・トラス外相が下馬評どおり保守党党首に選出され、英国で3人目の女性首相が誕生した。 トラス氏はオックスフォード生まれの47歳。2010年に下院議員に初当選し、その4年後にキャメロン政権で環境相に抜擢された。ジョンソン政権では国際貿易相を務めた後、昨年9月に外相に就任してからはウクライナ侵攻の構えを見せていたロシアへの制裁をいち早く唱えるなど強硬な姿勢を示していた。今年2月に実際の侵攻が始まると、トラス氏がロシアに対峙する様子がメデイアで頻繁に取り上げられるようになり、知名度が一気に上昇した。 |
…No.4128184+ 英国では「強い意志を持つ」女性のことを「鉄」にたとえることから、英国初の女性首相で強いリーダーシップを発揮したマーガレット・サッチャー氏は「鉄の女」と呼ばれた。スポットライトを浴びるようになったトラス氏は、政治姿勢や服装などがサッチャー氏に似ていることから、メデイアは「鉄の女2.0」と呼ぶようになっている。 1979年に首相に就任したサッチャー氏は、外交面では共産主義に対して不寛容な態度を貫いており、対ロ強硬派のトラス氏はその後継者と言えるだろう。英国は今後も対ロシア強硬姿勢を続ける可能性が高いとみられている。 サッチャー氏は内政面では国有企業の民営化など供給サイドの大改革を断行し、長年続いてきたインフレの退治に成功したが、首相に就任したトラス氏にとっても「インフレ退治」が焦眉の急だ。 https://www.dailyshincho.jp/article/2022/09060601/?all=1 |