…No.48910+中期防は大綱で示された目標水準の達成を図るため、5年間で必要な経費総額と主要な装備品の整備数量を明示し、これを基に単年度ごとに防衛関連予算が編成される。昭和61年の初策定以降、おおむね5年前後で改定されてきたが、「情勢変化に合わせた柔軟な対応ができなくなる」(防衛省幹部)との見方がある。中期防には策定から3年後の見直し規定があるため、改定時期を3年とするのも選択肢の一つだ。 自民党は3文書について枠組み自体の見直しを求めており、20日に開かれた安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)などの勉強会では「日本にも米国の国家防衛戦略(NDS)に当たる防衛戦略が必要だ」などの意見が出た。 |
…No.48911+大綱や中期防は、冷戦時代に防衛力整備を一定の限度内に収めるため導入された経緯がある。政府は昭和51年、国民総生産(GNP)比1%の上限枠を閣議決定。同年から防衛大綱を策定し、上限内での運用のあり方を規定した。62年にこの上限枠が撤廃された際、政府は61年から策定を始めた中期防によって、5年ごとに防衛費の総額を管理することとした。 そのため、大綱や中期防は、NSSやNDS、国家軍事戦略(NMS)などを整える米国の防衛文書体系と違い、戦略を示すものになっていない。日本が直面する脅威に対処するために必要な防衛力を反映できていないとの批判があり、防衛に詳しい自民議員は「防衛省にとっても見直しは長年の悲願だった」と話す。 防衛省は省内の防衛力強化加速会議で現状分析を進める。自民党が5月末までにまとめる提言を受け、政府は来年末までに3文書改定を終える見通しだ。 |