… | 1Name名無し 20/07/11(土)20:46:05 IP:118.238.*(nuro.jp)No.3786798+大島新監督は、小川とは17年来の付き合いであることを作品の中で明かしている。つまり被写体との距離の近さを大島は隠さない。選挙活動などパブリックな場だけではなく、小川の家庭にまでカメラは入り込む。作品の冒頭で幼かった2人の娘は、終盤の選挙戦のシークエンスではすっかり大人になって、父の選挙を必死に手伝っている。 東大を卒業して自治省(現総務省)に入省した小川は、そのままのコースを歩めば超エリート官僚だったはずだ。しかし政治家を志した。地盤・看板・カバンは何もない。それほどに総理大臣になりたいのか。大島のこの挑発を小川は否定しない。 ならば野心だけの男なのか。もちろん野心もある。でも小川を突き動かしているのは、国民一人一人の幸福を本気で願う気持ちなのだ。 |
… | 2Name名無し 20/07/11(土)20:46:30 IP:118.238.*(nuro.jp)No.3786800+......さすがに自分の筆致が気恥ずかしい。でも正直な感想だ。それは17年間、小川を見続けた大島の思いでもある。誠実な男だ。そして本気なのだ。でもそれだけでは選挙に勝てない。選挙戦は毎回のように薄氷だ。所属する政党も民主党から始まって、民進党を経て希望の党から無所属になった。だから誤解も多いし風評も厳しい。街頭で市民に罵倒されるが、小川は頭を下げ続ける。 観ながらあなたは気付くはずだ。この映画は小川淳也という個人を被写体にしているが、テーマは日本の政治状況であることに。政治とはすなわち社会でもある。つまりこの作品は、アメリカがイラクに武力侵攻した2003年から現在に至るまでの、僕たちの記憶と記録のドキュメンタリーでもある。この間に日本でもいろいろあった。東日本大震災を機に民主党は政治の表舞台から退陣し、長い安倍政権の時代が幕を開けて、コロナ禍にあえぐ現在に至る。この間の政治の選択は誰がしたのか。どこかの誰かではない。主権者である僕たち一人一人だ。 https://www.newsweekjapan.jp/mori/2020/07/17.php |