ニュース表8@2019年11月ふたば保管庫 [戻る]

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サリドマイド 発育に必要なたんぱく質分解で薬害か

09日18:21頃消えます 妊婦が服用して世界的に薬害を起こした「サリドマイド」は、手足などの初期の発育に欠かせないたんぱく質を分解することで、障害を引き起こす可能性が高いことを東京医科大学などの研究グループが動物を使った研究で明らかにしました。
「サリドマイド」は、1960年代までに妊婦の「つわり」を和らげるために処方され、生まれた赤ちゃんの手足や耳などに深刻な障害が起きる薬害が世界的な問題となりましたが、薬害を引き起こすメカニズムは正確には分かっておらず、現在は再び一部のがんやハンセン病の治療薬として使われています。

東京医科大学の半田宏特任教授などのグループは、サリドマイドをゼブラフィッシュと呼ばれる魚の卵に投与して解析したところ、細胞の中の不要なたんぱく質の分解に関係する酵素に結合した結果、「p63」と呼ばれるひれの発育に欠かせないたんぱく質を分解し、成長が十分に進まないことが分かったということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191030/k10012156031000.html?utm_int=news-life_contents_list-items_016

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「p63」は人では手足や耳の発育に必要なたんぱく質であることが分かっていて、グループではこのたんぱく質が分解されることで、薬害が引き起こされた可能性が高いとしています。
半田特任教授は「現在は一部のがんなどに投与されるようになっていて、メカニズムが分かることでより安全な使い方ができるようになる」と話しています。