ニュース表10@2019年11月ふたば保管庫 [戻る]

「自由主義は終わった」のか〜英米の二極化政治で後退するリベラルデモクラシー
08日22:01頃消えます ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月30日放送)に国際政治学者の細谷雄一が出演。イギリスの政治情勢、リベラルデモクラシーの行方ついて解説した。

・ イギリス議会下院で12月に総選挙を実施する法案を可決

イギリス議会下院は現地10月29日、ジョンソン首相が提出した総選挙を12月12日に前倒しする法案の採決を行い、賛成438、反対20の賛成多数で可決した。EU離脱を争点とする総選挙の実施が確実な情勢となっている。

飯田)これによって、イギリスのEU離脱が動いて行くのか。細谷さんはどうご覧になりますか?

細谷)大変な混乱ですよね。なぜこういうことになってしまったのかと言うと、イギリスがEUから離脱すれば、経済的に大きなダメージを受けることははっきりしているのです。一方で、国民投票で出るということを言ってしまった。メイ首相は離脱をしながらも、できるだけダメージを受けない、ダメージコントロールをしようとしたわけですが、これも否決されてしまいました。ジョンソン首相はメイ首相と違って、一貫して離脱キャンペーンをしていましたから、10月31日までに何が何でも離脱して、もしできなかったら溝で野垂れ死にしてもいいと言っていました。

 とは言いながら、過半数の40議席は割れていますから、普通にやったらどうやっても議会を通りません。ジョンソン氏としては、「悪いのは全部EUと労働党」というストーリーにしたかったのです。悪者にして、総選挙で勝つという戦略です。自分たちはEUから離脱する最良の政策を取っているのだけれど、それをEUと労働党が邪魔しているのだと。この物語が国民に受けて、保守党の支持率が上がって40%まで行っています。労働党の支持率は落ちて、いま24%です。このまま選挙に突入して勝つというのが、ジョンソン氏の計画なのです。労働党はそれを止めるために、いろいろな方法を取っていたのですが、ジョンソン氏のペースで政局が動き始めたという感じがします。

http://www.1242.com/lf/articles/209691/?cat=politics_economy&pg=cozy