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止まらぬ石炭火力発電 「事業者はリスクに気付いて」

 温室効果ガスの巨大発生源となる石炭火力発電所。じつは日本国内で石炭火力発電所の建設ラッシュが起きています。早急に歯止めをかけるべきだと訴える環境NGO「気候ネットワーク」の東京事務所長・桃井貴子さんにその問題点を聞きました。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASLB13T7WLB1ULFA00S.html
建設ラッシュ いまも続く
 ――石炭火力発電所の建設は日本でどのぐらい進められているのですか。
 「私たちが把握しているものとしては、東日本大震災の翌年の2012年から今年9月末までの期間で、計50基・約2300万キロワット超もの計画があります。このうち、すでに稼働したのが8基、建設中が15基です。一方、地元の反対などで中止されたのは7基。残りの20基ですが、環境への影響を予測・評価する環境アセスを終えたのが5基、環境アセスを進めているのが12基、不明が3基となっています」
 ――なぜ、そんなに多くの石炭火力の計画が持ち上がったのでしょうか。
 「震災後、原発が止まった東京電力は、火力発電所を増強する方針をとりました。その発電事業者に対する入札で、東電が低い上限価格を設定したことが大きな契機になったと考えています。上限価格が低いと、安い燃料価格の石炭火力でなければ落札できないのです。折しも電力の小売りが自由化され、安い電源としての石炭火力が求められたため、それこそ堰(せき)を切ったかのように石炭火力の建設計画が増えていったのです」

――経済産業省は「日本の石炭火力は非常にクリーンになった」としてます。
 「たしかに窒素酸化物や硫黄酸化物などの排出濃度は昔の石炭火力に比べ小さくなっていますが、石炭はそもそも炭素の含有量が多いので、どんなに高効率にしても大量の二酸化炭素が出てしまいます。最新式の石炭火力でも、その排出量は天然ガス(LNG)火力のほぼ倍です。だからこそ、温暖化対策では、まっさきに石炭火力を止めていくべきなのです」
 「石炭火力は窒素酸化物の排出量もLNG火力の倍以上です。設備容量の大型化も進み、周辺地域での健康被害のリスクをぬぐえません。有害な微小粒子状物質(PM2・5)の発生調査も必要です」

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温暖化は90年代後半がピーク。
現在は気温は横ばいから下降へと進んでいる。